「過去案件を探せない」を起点に、営業提案業務を再設計
支援の前|止まっていた意思決定
産業機械のシステム設計・見積・提案は、条件の近い過去案件を探し出し、差分だけを直して仕上げるのが基本の進め方です。ところがこの会社では、参考になる過去案件を見つけられるかどうかで、工数が倍近く変わっていました。図面も見積も残っているのに、検索しづらく、金額ともつながっていない。探し方は人の経験に頼りがちで、若手や専門外の営業が起点になると依頼書の情報が足りず、すり合わせが増え、行かなくてもよい現地調査まで発生していました。
「効率化に投資したい」という思いは社内にありました。しかし、どの施策に、どれだけの効果があるのかを数字で言えない。だから投資の稟議が前に進まない。これが支援前の状態でした。
何をしたか
3つの部署の業務を、工程の流れ×平均工数×聞き取りで可視化し、部署をまたぐ共通の詰まりが「参考案件の特定と活用」であることを突き止めました。そのうえで、カギとなる「参考案件の検索」を、いきなり本格的なシステムとして作らず、過去案件を使った小さな試作で検証しました。大きく賭ける前に、小さく確かめる順番です。
決められたこと・分かったこと
6案件中5案件で類似案件を特定し、受注見積までの工数を約46%削減できる見込みを定量化。
この数字が出たことで、「まず参考案件の検索から投資する」という順番を、感覚ではなく数字で決められる状態になりました。検討は実際に次の段階へ進み、他部署への展開検証、自由記述の備考欄まで検索できるかの実証、さらに「案件リストに詳しくない人でも探せるか」というAIエージェントの検証まで実施しています。
約46%は小規模の試作で確かめた見込みのため、今後は実測で確かめながら、社内AI基盤への組み込みと、全社への活用範囲の拡大を判断していく段階です。
