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保険業界における生成AI活用事例30選【2026年最新】ユースケースと、"PoC止まり"を抜け出す導入のポイント

  • 執筆者の写真: Daisuke Wakui
    Daisuke Wakui
  • 2024年9月1日
  • 読了時間: 15分
保険業界における生成AI活用事例30選

数年前、私たちは「保険業界における生成AIのユースケース」をまとめた記事を投稿しました(最終更新は2025年1月)。当時はまだ、各社が社内向けのChatGPT環境をおそるおそる整え始めた段階で、「どんな使い道があるのか」を並べるだけで価値がありました。

しかしこの1〜2年で、景色は大きく変わりました。生成AIは社内の文章作成から、営業支援・引受査定・保険金支払い・コンタクトセンターまで、保険の本業ど真ん中へ広がりました。そして各社の関心は「何ができるか」から、「自社でどうやって、実証(PoC)止まりにせず本番まで動かすか」へと移っています。

そこで本記事では、旧記事を2025〜2026年の最新動向に全面刷新しました。前半では、保険の8つの業務領域について、各社の一次情報(公式発表・ニュースリリース)で数値を確認できた活用事例だけを30社ぶん掲載します。後半では——ここが本記事のいちばんの狙いですが——生成AIが保険業界で"PoC止まり"になる本当の理由と、それを抜け出す再現可能な導入のポイントを解説します。

※旧記事はソースがWeb検索のみで数値の裏取りが不十分でした。本記事は各社の公式発表・一次報道を確認し、裏取りできなかった数値や出典と食い違う主張は掲載していません。効果は各社の条件下での実績・見込みであり、成果を保証するものではありません。

まず結論:保険業界における生成AI活用事例、3つの変化

先に、この記事でお伝えしたいことを3行でまとめます。

  1. 用途は本業へ広がった。社内事務だけでなく、引受査定・保険金支払い・不正検知・営業提案まで、保険のバリューチェーン全体に生成AIが入りました。

  2. 主役が「チャット」から「AIエージェント」へ移った。人が質問する使い方から、AIが自分で複数の業務を横断して処理する使い方へ。アフラックの営業エージェント国内初本番稼働や、SOMPOのグループ3万人規模のAIエージェント導入が象徴です。

  3. 勝負は"導入の進め方"に移った。野村総合研究所の調査では、国内保険会社の生成AI取り組み件数は2023年の11件から2024年の26件へ倍増——裏を返せば、多くはまだ「取り組み・実証」段階で、本番化・全社展開は道半ばです。差がつくのは、事例を知っているかではなく、PoC止まりを抜け出せるか。ここが後半のテーマです。


保険業界で生成AIが使われている「8つの業務領域」と事例30選

まず全体像です。保険の生成AIは、大きく次の8領域に整理できます。旧記事の枠組みを踏襲しつつ、事例をすべて2024〜2026年の最新のものに入れ替えました。

#

業務領域

生成AIがもたらすもの

1

社内事務・ナレッジ検索

社内照会・約款/マニュアル検索、議事録・資料作成の自動化

2

営業・代理店支援

提案アドバイス・話法トレーニング・お礼状/報告の自動作成

3

引受査定(underwriting)・商品開発

診断書解析・リスク予測で引受範囲を拡大

4

保険金支払い・事故対応

通話要約・不正請求検知・請求プロセスの自動化

5

コンタクトセンター・音声AI

応対の要約・分類から、応対プロセスそのものの自動化へ

6

マーケティング・CX・新規ビジネス

顧客データ×生成AIで提案最適化・顧客接点の高度化

7

セキュリティ・ガバナンス・AI基盤

セキュアな内製基盤・AI倫理・全社統制の整備

8

(横断)AIエージェント化

複数業務を横断し自律的に処理する次の段階へ

※用語注:RAGは、AIが回答する前に社内の約款・マニュアルなどの"参照資料"を検索し、その内容に基づいて答えさせる仕組みです。もっともらしい嘘(ハルシネーション)を抑え、社内の正しい情報に沿った回答をさせるために、保険各社が広く採用しています。

以下、領域ごとに代表的な事例を見ていきます。

1. 社内事務・ナレッジ検索

膨大な約款・事務手続ルールへの社内照会を、生成AIが肩代わりする——保険でいちばん先に普及した領域です。

企業

何をしたか

確認できた効果

損害保険ジャパン

社内ナレッジ検索にLLMを組み込んだ照会回答支援「おしそんLLM」を2025年6月に全国展開(内製)

照会は年間67万件。回答可能な約6割の照会で約4割の業務時間削減を確認

三井住友海上/NEC

全社基盤「MS-Assistant」に、NECの生成AI「cotomi」ベースの業務特化型LLMを搭載(2025年4月全社運用)

約1.2万人の社員フィードバックを学習させ回答精度を向上

朝日生命

PKSHAのAIヘルプデスクを導入し、社内文書をRAGで検索するAI窓口を設置(2025年4月)

検索対象の社内文書は3,500超、解決不能時は有人チャットへ

日本生命

社内生成AIチャット「N-Chat」を全内務職員へ開放

約2万人が利用、テンプレート約20種を提供

読み解き:この領域の勝ち筋は「RAG+人の最終確認」です。損保ジャパンの「回答者が確認して回答する」運用に代表されるように、生成AIに答えさせつつ、最後は人が確認してハルシネーションを抑える設計が定着しました。

2. 営業・代理店支援

募集人・代理店に"伴走する"生成AIが、単発のチャットボットから提案・話法・報告まで支える営業エージェントへ進化しました。

企業

何をしたか

確認できた効果

住友生命

エクサウィザーズと開発した「いくなび」で、顧客の趣味嗜好から話題ヒントやお礼状文面を自動生成

全営業職員約3万人・全国約1,500拠点で運用

住友生命

生成AIアバターと台本のない自由なロールプレイングができる話法トレーニングを導入(2025年12月)

会話を要約し修正点を生成AIが即時判定、指導を標準化

明治安田生命

営業職員向けアプリ「MYパレット」にAIエージェントを搭載し、提案支援・報告作成を支援

訪問準備・報告作業の時間を従来比約30%削減、約3.6万人へ展開

第一生命

対話型AI/AIアバターが応対記録の自動作成や商品提案を支援する営業支援AI

全国約1,000拠点へ2026年4月から順次導入

読み解き:ポイントは、生成AIが「文章を書く」だけでなく、ベテラン募集人の"勘所"(話法・次に当たるべき顧客)を、誰でも使える形にし始めたことです。属人的だった営業の知が、組織の資産に変わりつつあります。

3. 引受査定(underwriting)・商品開発

診断書やリスクデータの解析で、これまで引き受けられなかった顧客まで引き受けられるようにする動きが進んでいます。

企業

何をしたか

確認できた効果

明治安田生命

「健活未来予測モデル」で医療ビッグデータから疾病リスクを予測し、医学査定と組み合わせて引受判断

約130万件の匿名医療データを学習(対象商品を2025年1月発売)

オリックス生命

再保険大手SCORのAIモデルで、傷病ごとの給付発生率をシミュレーションし引受範囲を拡大

特別条件付きだった傷病の約90%を無条件で引受可能になる見込み

第一生命

生成AIを中核とする次世代AI-OCRで、診断書・帳票の読み取りからデータ化・確認までを自動化(2026年4月本格運用)

認識精度が約20%向上、運用コストを約50%削減。5年で約4,000億円をAI・デジタルに投資

SOMPO/損保ジャパン

Palantir Foundryに企業保険の引受情報を集約し、アンダーライティングを高度化

2025年9月時点でほぼ全ての企業保険の引受へ拡大

読み解き:引受査定は、生成AI(約款・診断書の読み取り・要約)と、従来型の機械学習(リスク予測)の役割分担で進みます。「生成AIだけ」ではなく、目的に応じてAIを使い分けるのがコツです。

4. 保険金支払い・事故対応

事故受付や支払査定でも、通話の要約や不正検知に生成AIが使われ始めました。

企業

何をしたか

確認できた効果

三井住友海上/NEC

事故対応の通話を音声認識でテキスト化し、生成AIで要約して支払システムへ登録

応対記録の入力業務で年間約29.4万時間の削減を見込む

東京海上日動/Shift Technology

不正検知ソリューションに生成AIを追加し、書類・画像の解析精度を高めて不正請求を検知(2025年8月)

保険金ワークフローの最適化を支援

Mysurance(損保ジャパン子会社)

受付・審査を担う複数のAIエージェントを連携させる「保険金請求AIアシスタント」を実証(2026年3月)

次年度中の実運用開始を目標に、請求体験の分かりやすさを追求

5. コンタクトセンター・音声AI

2024年の「応対メモの自動作成」から、2025〜2026年は応対プロセスそのものの自動化へ前進しました。

企業

何をしたか

確認できた効果

東京海上日動/PKSHA・CTC

入電〜通話中〜終話後を一気通貫で支援するコンタクトセンターAIを本格導入(2026年3月)

年間対応200万件超、顧客対応で最大約30%(約5.8万時間)削減見込み

かんぽ生命

Amazon Connect+Salesforce Voiceで次世代コンタクトセンターへ刷新し、応対後処理を生成AIで自動化

応対後処理を「5分超→約1分半」に短縮

SBI生命

声紋認証とGPT-4の機能呼び出しを組み合わせ、本人確認から手続き・記録までを自動化するAIオペレーター

サービスデスクの定型対応を無人で完結

東京海上日動あんしん生命/日本IBM

watsonx.aiで「お客様の声」の分類・分析を高度化(2025年3月本格導入)

年間約18,000件のVoC分類を自動化

明治安田生命/ELYZA

コールセンターの通話データから応対メモを生成AIで自動作成

応対後の処理時間を約30%削減する見込み

6. マーケティング・CX・新規ビジネス

顧客データと生成AIを掛け合わせ、提案の最適化や顧客接点の高度化を狙う取り組みです。

企業

何をしたか

確認できた効果

東京海上日動

「マーケットインナビ」で商談音声から中小企業の経営課題を自動抽出。2025年9月にはOpenAIと連携しDeep Researchで地場情報を統合

全国約130拠点・約1,200名が利用

アフラック生命

SalesforceのAIエージェント「Agentforce」を保険販売の営業活動で国内初の本番稼働(2025年4月)

複数ステップの業務を自律処理し営業力を強化

ライフネット生命

社内LLMとGeminiで、広告代理店に委託していたマーケ運用を内製化

生成AI利用率90%超、生まれた時間を顧客理解へ

マニュライフ生命

代理店営業担当向けの「Manulife AI Assistant」を運用(2025年8月)

保全手続き等の照会に迅速回答し戦略業務に集中

富国生命

ファンコミュニティに生成AIの「全自動ファシリテーション」を導入し、ユーザー間の対話を活性化

相互扶助のかたちをユーザーと共創

7. セキュリティ・ガバナンス・AI基盤

生成AIを全社で安全に使い切るための、セキュアな基盤・AI倫理・全社統制の整備です。ここは"事例"というより"仕組みづくり"の話です。

企業

何をしたか

確認できた内容

東京海上ホールディングス

全社生成AI「One-AI」をAzure OpenAIで内製し、個人情報の入力を禁止・ログを全収集する統制で運用

2025年9月にはOpenAIと戦略的連携を開始

明治安田生命

AI活用の基本方針「AIポリシー」を制定(2025年11月)

安全性・公平性・プライバシー・透明性の確保を明示

あいおいニッセイ同和損保/NRI

募集文書を生成AIが自動点検するツールを開発(2024年12月運用)

初期点検の業務時間を約50%削減、年間約4,000時間(対象は年約8,000件)

SOMPOホールディングス

グループ社員約3万人に「SOMPO AIエージェント」を導入し、業務プロセスをAI前提に再設計(2026年1月)

汎用支援に加え業務特化エージェントを検証

第一生命

exaBase Studioのプライベートクラウド版で、重要データを扱えるセキュアな内製開発基盤を構築(2025年1月稼働)

専門外の社員によるAI実装(市民開発)を推進

読み解き:先進各社に共通するのは、「アクセル(活用推進)」と「ガードレール(ガバナンス)」を同時に整える姿勢です。とくに保険は機微な個人情報を扱うため、AIポリシー・入力禁止ルール・ログ管理・募集文書点検といった統制を、後付けではなく最初から設計しています。背景には、金融庁が2026年3月に公表した「金融分野におけるAI活用に関するディスカッションペーパー(第1.1版)」もあり、規制対応が本番化の前提になりつつあります。

生成AI導入で保険会社が得られる4つの効果

30事例を横断すると、効果は次の4つに集約できます。

  1. 業務時間の削減:社内照会・応対記録・文書点検などの間接業務が大幅に短縮(例:損保ジャパンの照会約4割減、三井住友海上の年約29.4万時間、あいおいニッセイ同和の年約4,000時間)。

  2. 顧客接点の高度化:コンタクトセンターや営業提案で、応対の質とスピードを両立(例:東京海上日動の約5.8万時間削減、かんぽ生命の後処理5分超→約1分半)。

  3. 引受・査定の高度化:診断書解析やリスク予測で、引受範囲を広げ、これまで断っていた顧客にも応える(例:オリックス生命の約90%無条件引受化)。

  4. 知識・技能の継承:ベテラン募集人・査定担当の"勘所"を、誰でも使える組織の知に変換(例:住友生命のAIロープレ、明治安田生命のMYパレット)。

ここまでが、旧記事のアップデートにあたる「事例編」です。ですが——本当に価値があるのは、ここからです。

なぜ保険会社の生成AIは"PoC止まり"になるのか-4つの壁

ここまで30の事例を見て、こう感じた方が多いはずです。「大手はすごい。でも、うちで同じことができる気がしない」。

これは正しい直感です。上位の解説記事を調べても、大半は"事例の羅列"で終わっており、「事例を見たあと、自社でどう本番まで動かすか」がほとんど書かれていません。実際、野村総合研究所の調査では国内保険会社の生成AI取り組み件数は2023年の11件から2024年の26件へ倍増しましたが、これは裏を返せば多くがまだ「取り組み・実証」の段階だということ。海外の調査でも、生成AIを試す会社は急増する一方、全社規模でスケールできた会社はごく一部にとどまっています。

なぜ保険で、特にPoCが本番に乗らないのか。私たちの支援経験からは、4つの壁が見えます。

  1. 費用対効果(ROI)を説明できない壁:「便利そう」は分かっても、経営を動かす"どれだけ効くか"の数字が出せない。効きどころの見立てが曖昧なまま、いきなり大きく作ろうとして頓挫する。

  2. 現場に定着しない壁:募集人やオペレーターが使いこなせず、結局一部の詳しい人に依存する。「AIを入れたのに、属人化が形を変えて残っただけ」という状態。

  3. 保険特有のデータ・規制の壁:機微な個人情報・約款・査定ノウハウ・金融庁の監督指針——外に出せず、形にもなっていない情報と、守るべきルールが本業の中心にある。汎用のチャットに質問するだけでは、この核心に届きません。

  4. "誰が推進するのか"が空白の壁:これが最も見落とされます。戦略コンサルは「答えは出すが、やり方は社内に残らない」。PMOは「決まった作業は管理するが、"そもそもどこに手を打つか"は描けない」。 生成AIの本番化は、この両者の"間"に落ちてしまうのです。

※用語注:PMO(Project Management Office)は、プロジェクトの進捗・課題・リソースを管理・支援する役割です。実行管理は得意ですが、「どこを目指し、何から手をつけるか」という上流の構想は担いにくい立場です。

"PoC止まり"を抜け出す導入のポイント-再現可能な「共通地図」

では、どうすれば壁を越えられるのか。答えは「もっと賢いAIを入れる」ことではありません。進め方を、再現可能な"地図"として設計することです。私たちが実際の支援で使っている、4つの導入のポイントを紹介します。

① 着手領域を「論点」から決める(保険バリューチェーンで優先順位づけ)

多くの会社が「流行っているから」で着手領域を選び、成果の出にくいところから始めて息切れします。そうではなく、引受・査定・支払・募集・コンプライアンスという保険のバリューチェーンのどこで、誰が何を決めれば、後工程がいちばん楽になるかを論点として立て、効きどころを見極めてから着手します。8領域のうち、まず1つ。事例の真似ではなく、自社のボトルネックはどこかから逆算するのが出発点です。

② PoC→本番の「意思決定ゲート」を最初に決める

PoCを始める前に、「何がどうなったら本番に進める/進めないのか」という判断基準(GO/NO-GO)を先に決めておきます。保険では特に、回答精度の検証と、人が最終確認する仕組み(ヒューマン・イン・ザ・ループ)をゲートに組み込むことが重要です。「精度が◯%を超え、担当者の確認負荷が◯%下がれば本番へ」——この基準があるからこそ、PoCは"試して終わり"ではなく、次の投資判断につながる一歩になります。

③ 現場定着の型=「暗黙知を、誰でも使える形にする」

本番化の成否は、"詳しい人にしか使えない"を、"誰でも使える"に変えられるかで決まります。ベテラン募集人の話法、熟練査定担当の判断——保険の価値の多くは、こうした暗黙知に宿っています。住友生命のAIロープレや明治安田生命の営業エージェントが効いているのは、まさにこの"誰でも使える化"を実現しているから。生成AIやAIエージェントは、使う人が普通の言葉で頼めば、裏側の難しさを見せずに仕事を進めてくれます。

④ 効果測定とスケール設計に、ガバナンスをセットで組み込む

最後に、「効いた」を数字で残し、横に広げる設計をします。1つの領域で効果が確認できたら、同じ"効きどころの見立て"が他領域でも通用するかを検証しながら広げる。このとき、アクセル(活用推進)とガードレール(機密情報の管理・AI倫理・金融庁のディスカッションペーパー対応)を同時に整えます。ガバナンスを後付けにすると、本番直前で止まります。東京海上の入力禁止ルールや明治安田生命のAIポリシー、あいおいニッセイ同和の募集文書点検は、この"広げ方"を仕組みにした好例です。


この記事と事業「共通地図」-地図を、貴社の手に残す

改めて振り返ると、PoC止まりを抜け出す4つのポイントに共通するのは、最新のAIを持ち込むことではなく、「どこに手を打つか(論点)」を見える化し、それを"誰でも再現できる進め方"として残すことです。

これは、私たちLabz.の事業「共通地図」の考え方そのものです。世の中の支援は大きく2つに分かれます。経営コンサルは「答えは出すが、社内に残らない」。PMOは「作業は管理するが、構想は描けない」。私たちは、その"間"に空いた白地——明確な答えのない上流テーマのプロジェクト推進——を、次の流れで支援します。

  • 論点設計:何を考え、どこに手を打つべきかを構造化する(コンサル的な役割)。

  • タスク・判断への分解:誰が・どの順で・何を決めるかの地図に落とす。

  • 生成AIによる再現可能化:属人的な知を、誰でも使える仕組みにして現場に残す(PMO的な実行を、AIで再現可能に)。

「魚を渡す」のではなく、「魚の釣り方の地図を、AIで描いて渡す」。この進め方が効くのは、生成AI導入に限りません。新規事業でも、DX(デジタルによる事業変革)でも、業務改革でも——「何から手をつければいいか分からない」上流のテーマすべてに、同じ形で効きます。

なお、私たちがこの記事のためにおこなったリサーチ自体も、同じ思想でできています。各社の一次情報にあたり、数値を検証し、示唆の根拠となったFact(事実)を残す。だから更新も簡単です。多くの企業がこうした調査を相応の金額で外部委託していますが、論点設計とAIを組み合わせれば、調査を"使い捨て"から"積み上がる資産"に変えられます

まとめ

  • 保険業界における生成AI活用事例は、社内事務から引受・支払・営業まで本業に広がる段階に入りました(本記事の30事例)。

  • 2026年の変化は、チャットからAIエージェントへ。使い方が「聞く」から「任せる」へ移りました。

  • しかし取り組み件数は増えても、本番化・全社スケールは道半ば。差がつくのは、事例を知っているかではなく、自社で本番まで動かせるかです。

  • 壁は「もっと賢いAI」では越えられません。着手領域を論点から決め/意思決定ゲートを先に置き/暗黙知を誰でも使える形にし/効果測定とガバナンスをセットで設計する——この再現可能な進め方が鍵です。

事例はもう十分にあります。足りないのは、貴社の現場に合わせた、まだ描かれていない一枚の地図なのかもしれません。

「うちでも、生成AIを"試し止まり"にせず本番まで動かせるだろうか?」——もしそう感じられたら、まずは30分、現状をお聞かせください。売り込みではなく、"どこに効きどころがあるか""何がベテランの頭に閉じ込められているか"を、一緒に見立てるところから始めます。 株式会社Labz.の「共通地図」は、経営コンサルとPMOの"間"にある白地——明確な答えのない上流テーマのプロジェクト推進を、論点設計 → タスク・判断への分解 → 生成AIによる再現可能化、という流れで支援するサービスです。進め方や知識を属人化させず、再現可能な"地図"として貴社の手に残し、その後の展開にも伴走します。保険業界の生成AI導入を、"PoC止まり"で終わらせないために。"最初の一枚"を、一緒に描きましょう。


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