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株式会社Labz.
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Claude Codeで作ったプロジェクトマネジメントAIの話

  • 執筆者の写真: Daisuke Wakui
    Daisuke Wakui
  • 6月16日
  • 読了時間: 7分

導入

世界最大級の資本が「コンサル × AI」に参入した日

2026年5月4日は、コンサルティング業界にとって象徴的な一日になりました。

この日、Anthropicは、投資大手の Blackstone・Hellman & Friedman・Goldman Sachs とともに、評価額およそ15億ドル規模のAIサービス新会社を設立すると発表しました〔出典:CNBC/Business Wire/Fortune, 2026/5/4〕。狙いは、エンジニアを中堅企業の中に送り込み、業務そのものをAIエージェント中心に作り替えること。いわゆる「Forward-Deployed Engineer(FDE=クライアントに張り付くエンジニア)」型のモデルです。

そして同じ日、OpenAIも「The Development Company」という新事業で、19の投資家から約40億ドルを調達し、評価額100億ドルを目指していると報じられました〔出典:Bloomberg報道/TechCrunch, 2026/5/4〕。こちらも、AIラボのエンジニアを企業に送り込み、既存業務にAIを組み込んでいくモデルで、ターゲットはやはり中堅企業です。

両者に共通するのは、「人(エンジニア)」をクライアントに張り付けるモデルだという点。「コンサルティング × AI」の世界に、世界最大級の資本が、同じ日に、同じ方向から参入してきた——そういう一日でした。

その背景には、多くの企業が抱える共通の壁があります。AIを試したものの、試験導入(PoC)から本番運用へ広げられない、という「パイロットから本番への谷」です。ある調査では、約9割の企業が何らかの形でAIを使う一方、その多くが全社展開には至っていないとされます〔出典:McKinsey調査/TechInformed, 2026/5〕。この谷をどう越えるかが、いまの主戦場になっています。

そんな中、私たちLabzは一足先に、もう一つの道を選んでいました。


私たちは逆の道を選んだ:「人」ではなく「推進の型」をアサインするClaude Codeで作ったプロジェクトマネジメントAI

市場のほぼ全プレイヤーが「人月モデル」、つまり人を張り付けて動かすモデルで戦う中、私たちの仮説は逆でした。

「人」をアサインするのではなく、「推進の型」をアサインする。

具体的には、戦略コンサルティングの根幹である「論点設計(Issue Analysis)× 仮説構築(Hypothesis Making)」という手法そのものを、Claude Code 上で半自動化するAIエージェントを内製しています。社内では PIH 設計エージェント(Pyramid of Issues & Hypotheses) と呼んでいます。

この記事では、Claude Codeで作ったプロジェクトマネジメントAIの思想と機能の概要を公開します。

なぜ「論点と仮説」のAIなのか

ChatGPT の登場以降、「資料作成AI」「議事録AI」「リサーチAI」は無数に生まれました。便利ですが、これらはどれも、プロジェクトの後工程を助けるものです。

しかし、戦略コンサルタントが本当に時間を使うのは、その前段です。

そもそも何を論点として設計し、どんな仮説の構造で攻めるか。

ここが勝負どころです。論点が筋悪なら、その後どれだけ綺麗な資料を作っても、プロジェクトは前に進みません。逆に、論点と仮説の構造が美しければ、後工程は驚くほど軽くなります。

この上流をAIに任せられないか——それが、私たちの出発点でした。世の中の多くのAIが後工程を効率化する中で、私たちはあえて、最も難しく、最も価値の高い上流に踏み込みました。


このエージェントができること

プロジェクトの背景を渡すだけで、以下を一気通貫で生成します。

  • 論点ツリー:大論点 → L1 → L2 → L3 まで、MECE(モレなくダブりなく)に分解

  • 仮説ツリー:L3の仮説からボトムアップで集約し、上位ほど200字以内に研ぎ澄ます(クリスタライズ)

  • タスク設計:L3の仮説それぞれに、検証タスクを自動設計

  • Excel成果物:書式付きの .xlsx(プロジェクト概要/論点ツリー/タスク管理)

  • HTML Viewer:ブラウザ上でドラッグ&ドロップしながら閲覧できる画面

そして、ここからが実務で効いてくる部分です。

  • 議事録ファイルを放り込むと、論点・仮説・タスクが自動でアップデートされる

  • Excelを手で編集すると、その変更を検出して本体に反映する

  • 「タスクを実行して」と指示すると、Webリサーチや資料分析でファクトを集め、検証後の仮説まで書き戻す

つまり、プロジェクトが動くたびに、論点・仮説・タスクが生き物のように更新され続ける構造です。一度作って終わりの資料ではなく、プロジェクトと一緒に育っていきます。

Claude Codeで作ったプロジェクトマネジメントAI

「論点設計」の中身を、少しだけ

論点を分解するとき、優れたコンサルタントがやっているのは、「とりあえずMECEに割る」ことではありません。問題の性質によって、分解のパターンを使い分けています。

私たちのエージェントは、社内で体系化した7つの分解パターンを内蔵し、プロジェクトの背景から最適なものを複数提示します。そのうえで、粒度(3粒度/4粒度/5粒度/完全MECE)を、サンプルのツリー付きで4択で示し、ユーザーが選ぶ設計にしています。

「全自動で論点を吐き出す」のではありません。「コンサルタントが現場でやっている思考の分岐点を、対話形式で再現する」。ここが、市販のリサーチAIと最も違うところです。

なお、内部仕様(プロンプト体系・スキル定義・整合性検証ロジック・クリスタライズ手法など)は社内ノウハウのため非公開ですが、Claude Code の Skill 機能と Hook 機能をフルに活用して構築しています。

なぜ「型」なのか:事業戦略としての理由

冒頭のJVの話に戻ります。

AnthropicのJVも、OpenAIのJVも、共通するのは「人(FDE)」を企業に張り付けるモデルです。大手ファームの一部もFDE型を本格化させ、市場のほぼ全プレイヤーが「人月モデル」で戦っています。

それでも私たちが「型」を選んだのには、3つの理由があります。

  1. コストが現実的でない:実行まで含めた人月のコスト(月数百万〜数千万円規模)は、多くの中堅企業にとって現実的ではありません。

  2. 自走文化が育たない:「人」がいなくなった瞬間にプロジェクトが止まる構造では、社内にノウハウが残らず、自走する文化が育ちません。

  3. 特定AIモデルの急変リスクに弱い:Claude / GPT / Gemini といった特定モデルが急に変わるリスクに、「人ベース」のモデルは構造的に弱い面があります。

だから私たちは、「型」をベースに置き、AIは差し替え可能に設計しました。モデルが進化しても、論点設計×仮説構築という型は生き続けます


これは「プロジェクト推進の共通地図」を描くAIです

ここまで読んで、「結局これは何なのか」と感じた方へ。

このエージェントが生み出しているのは、単なる資料ではありません。論点・仮説・意思決定・タスクを1枚にまとめ、関係者全員が同じものを見て、進みながら更新していける——私たちが「プロジェクト推進の共通地図」と呼んでいるものです。

「プロジェクトマネジメントAI」と聞くと、進捗管理のツールを思い浮かべるかもしれません。しかし、これは違います。タスクを管理する前の、「そもそも何を目指し、何を考えるべきか」という上流を地図にするAIです。そして、その地図は成果物として渡して終わりではなく、社内に残り、再現できる。経営コンサルが「目的地まで連れて行くが地図は渡さない」とすれば、私たちは目的地への道筋を地図にして、貴社の手に残します。

おわりに

このエージェントは現在、Labz.のコンサルティング契約の中で実運用フェーズに入っています。プロジェクト初期の論点ワークショップから、月次の議事録反映、タスク実行まで——コンサルタント1人で複数のプロジェクトを並行できる体制を支える基盤になっています。

  • 「自社のプロジェクトで使ってみたい」

  • 「論点設計から相談したい」

  • 「型ベースのAI活用に関心がある」

そんな方からのお問い合わせを歓迎しています。3週間・固定価格のスプリント型から始められます。無料相談はこちら(クリック)


よくある質問(FAQ)

Q1. これは議事録AIやリサーチAIと何が違うのですか?

A. 議事録AIやリサーチAIは、資料作成や情報収集という「後工程」を助けるツールです。本エージェントは、その前段——何を論点とし、どんな仮説で攻めるかという「上流」を設計する点が異なります。

Q2. AIが全自動で論点を作るのですか?

A. いいえ。7つの分解パターンや粒度を選択肢として提示し、人が選ぶ対話形式です。AIがドラフトを描き、人が検証して確定する——この組み合わせで品質を担保します。丸投げではありません。

Q3. Claude以外のAIモデルでも使えますか?

A. 「型」をベースに設計し、AIモデルは差し替え可能にしています。特定モデルの急変リスクに構造的に依存しない設計です。

Q4. 作った論点や仮説は、社内に残りますか?

A. はい。論点・仮説・意思決定・タスクが1枚の地図として蓄積され、議事録やExcel編集で更新され続けます。担当者が代わっても再現できます。

Q5. どうやって始められますか?

A. 3週間・固定価格のスプリント型から始められます。論点設計のワークショップから入り、自社プロジェクトでの活用を試せます。


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