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  • 執筆者の写真Daisuke Wakui

2023年の経験を踏まえた生成AIとの正しい向き合い方

更新日:1月25日

【はじめに】

2023年4月以来、保険業界や製造業界における生成AIの導入プロジェクトに深く関わる機会がありました。この体験をもとに、生成AIとの有効な関わり方について、深く考察してみたいと思います。


本稿は私の個人的な経験に基づくものですので、内容には主観的な見解が含まれていることをご理解ください。


【生成AI導入の現状とその課題について】

現在、多くの企業が生成AIの導入を進めておりますが、その主な目的はRAG(Retrieval Augmented Generation)と呼ばれるものです。この技術は、社内マニュアルや社内規定の問い合わせ対応などに利用されています。


しかし、文書の検索、命令文の解釈、生成AI自体の限界など、多くの課題が存在していることから、高い精度(90%以上)を達成するためには、大きな努力と工夫が求められます。

また、マニュアルや規定の解釈においては間違いが許されないため、目標精度を下げることも難しい状況にあります。


これらの問題により、多くの企業でAI導入担当者は「どのようにして生成AIと効果的に向き合うべきかという課題に直面しています。


【生成AIの活用方法の再考】

この1年間、生成AIと触れ合う中で、私は「生成AIは発散を得意とするが、収束には苦手意識がある」ということに気づきました。この洞察から、現状において生成AIを最も効果的に活用する方法は「叩かれ役」ではないかと考えております。


例えば、コンサルティングプロジェクトにおいて、「叩かれ役」は非常に重要な役割を担います。「叩かれ役」は調査、分析、スライド作成の初期アウトプットを通常担います。この役割は、プロジェクトの成功に不可欠であるにもかかわらず、報われないことが度々起きてしまいます。しかし、この「叩かれ役」を生成AIが担うことで、人間の担当者はより創造的かつ戦略的なタスクに集中でき、業務の効率化と満足度の向上が期待できると考えます。


生成AIは、膨大な量の情報を取り込み、多様なアイデアを生成することに長けています。この能力を活用して、初期の案の提示や、様々なシナリオの探索などに利用することが可能です。

一方で、その提案は必ずしも最適解ではないため、人間のチームがそれらのアイデアを精査し、最終的な方向性を決定することが重要です。このような分担により、生成AIはクリエイティブな思考を促し、一方で人間はより高度な意思決定と実行に専念できるようになります。


このアプローチによって、生成AIと人間のチームは相互に補完し合いながら、より効率的で有意義な業務遂行が可能になります。生成AIの「叩かれ役」としての活用は、単に業務の負担を軽減するだけでなく、プロジェクト全体の質の向上にも寄与します。また、生成AIをこのように活用することで、人間の担当者はより創造的な作業や戦略的な思考に集中できるようになり、全体としての業務の充実と満足度が高まることが期待されます。


最終的には、生成AIと人間が協力し合うことで、より効果的な業務の進行、新しいアイデアの創出、そして全体的なプロジェクトの成功へとつながることでしょう。皆さんの業務においても、このような「叩かれ役」を生成AIに任せてみることで、新たな可能性が開かれるかもしれません。


【最後に】

弊社が開発・運用しているAIリサーチツールも「叩かれ役」として設計・開発されております。サービス紹介資料にAIリサーチツールのデモがございますので、ご興味を持たれた方はコチラをクリックして下さい。


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