皆様、こんにちは。株式会社Labz.の代表を務めております涌井と申します。今回は、生成AIがリサーチ(調査)業務にもたらした変化と、その限界について考察してみたいと思います。
リサーチ(調査)業務の効率化:ChatGPTの登場
OpenAIがリリースしたChatGPTの登場により、検索の世界は劇的に変化しました。従来の検索エンジンとは異なり、ChatGPTはユーザーの質問に対して自然な対話形式で回答を提供します。これにより、情報収集の効率が飛躍的に向上しました。さらに、PerplexityやGensparkといったAI検索ツールも次々と登場し、OpenAIとGoogleも同様のサービスを計画しています。こうした急速な技術革新により、「リサーチ(業務)はAIによって自動化される」という声も聞かれるようになりました。
リサーチ(調査)業務の3ステップ
当社もWeb検索型RAGを開発するなど、リサーチ(調査)業務の効率化を目指してきました。しかし、これらのサービスだけではリサーチ(調査)業務を完全に変革することはできないと判断しています。
その理由を説明するために、当社ではリサーチ(調査)を「集める」「貯める」「使う」の3ステップに分解して考えています。このフレームワークに沿って、現状の課題と可能性について述べていきます。
1. 「集める」:効率化の進展
「集める」段階に関しては、確かに劇的な効率化が進んでいます。ChatGPTの登場以前からWebスクレイピングツールなどが存在しており、情報収集の効率化は以前から進んでいました。しかし、単に情報を「集める」だけでは散在したFactに留まってしまい、その活用に課題がありました。
2. 「使う」:ChatGPTの革新
ChatGPTの登場により、「使う」段階が大きく改善されました。このサービスは、ユーザーの質問に対してFactを収集しながら、情報を適切に加工して分かりやすい形で提示してくれます。つまり、これまでのリサーチ(調査)支援サービスに不足していた「使う」機能を拡充させたのです。
3. 「貯める」:未解決の課題
一方で、「貯める」段階に関しては、まだまだ改善の余地があると感じています。現状のAIサービスは「単発なリサーチ(調査)の効率化」に留まっており、これがリサーチ(調査)業務の完全な変革を妨げている根本的な課題ではないかと考えています。
なぜ「貯める」が重要なのか
多くのビジネスマンにとって、リサーチ(調査)は個人で完結するものではありません。調査結果を上司や同僚に説明する際には、以下のような質問に答える必要があります。
十分に調べたのか?
そのFactは正しいのか?
過去のリサーチ(調査)結果との差分は?
これらの質問に適切に答えるためには、様々な情報源からリサーチ(調査)を行い、それらの結果を集約し、目的に応じた形に変換する必要があります。ここに「貯める」という要素が重要となってくるのです。
「貯める」ことにより、瞬時にFactを必要な形に変換することが可能となり、リサーチ(調査)の質と効率が劇的に向上します。逆に言えば、ワンマン社長のように個人で判断・行動できるビジネスマンにとっては、「貯める」機能は必須ではないかもしれません。
当社の取り組み
当社は「集める」「貯める」「使う」のすべての要素に着目したリサーチ(調査)支援ソリューションを提供しています。これにより、単なる情報収集の効率化だけでなく、組織全体でのリサーチ資産の活用と、それに基づく意思決定の質の向上を支援しています。
まとめ
生成AIの登場により、リサーチ(調査)業務は確かに大きく変化しました。しかし、真の変革を実現するためには、「集める」「貯める」「使う」の3ステップをバランスよく強化する必要があります。特に「貯める」機能の重要性は今後さらに高まっていくでしょう。
リサーチ支援や調査支援、さらにはリサーチの資産化や調査の資産化に興味をお持ちの方は、ぜひ当社のソリューションをご検討ください。組織全体でのリサーチ能力の向上に貢献できると確信しています。
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